◆ がんに負けない社会
船橋医療センターでは、医療チームの連携で併設の緩和ケア病棟への入院と緩和ケアチームによる医療サービスを受けることができます。
余命を告げられたある一人の壮年が、担当医に今後は延命治療を受けないことを申し入れ、在宅治療を受けながら自身の寿命と真正面から向き合い、淡々と生きる姿に私は偉大な力、人間力を感じました。
と同時に緩和ケア病棟を併設した医療センターのがん医療の先進性が市民にどれほど安心感を与えているか、がんになっても負けないケアが医療センターに構築されていることを確信いたしました。
がんになって人生が深まった、生きることの素晴らしさが分かった。それを証明するかの如く、がんにかかったとしたら、79%の人が知らせてほしい、と答えた世論調査があります。ある日突然死をむかえるより、やはり人生を締めくくる時間がほしいとのことだと思います。
医療機器の技術改革について、医療センターのがんの放射線治療は、患者は放射線装置で画像診断を受けた後、別の部屋に移動して『リニ ヤック』による放射線治療を受けます。
それに対し、エックス線による断層撮影装置と、放射線治療装置が一体になった「トモセラピー」と呼ばれる放射線治療装置が開発され、狙った患部に正確に放射線を集中照射できる利点があるされています。
また、がん治療における薬物療法(抗がん剤治療)の特徴は投与量の個別化がより詳細に必要であり、効果を最大限に引き出し、併せて副作用の回避、あるいは軽減するためです。
これまで薬剤師さんが手作業で行っていた抗がん剤の調整を自動で行う抗がん剤自動調整装置が開発され、患者さんの正確な抗がん剤の調整が可能となります。 医療従事者へは作業ミスなどのリスクを軽減でき、作業効率を向上させ、安全性を確保できるのです。
こうした機器を多くの市民のため、現場医療従事者の皆さまの健康管理のために適当な時期に導入すべきと訴えました。