◆ 象の背中
秋元 康著「象の背中」産経新聞社をよみました。美空ひばりの「川の流れのように」を作詞した著者であり一気に読みました。
がんを宣告された中年男性の物語です。最後の1ページを留めます。
「大切なのは、その死に方だと今だから思う。人は、きっと、このゴールのために生きているのだ。たとえ、それが、不慮の事故であれ、若すぎる病死であれ、覚悟の自殺であれ、その別れを残された人たちにどう見送られるかだ。惜しまれつつ退場したい。俺の死が、俺の人生にかかわった人々に知らされた時、何かを思ってくれればいい。出来れば、その時、俺と過ごした時間を思い出して欲しい。それが、俺が生きてきた証なのだから。(中略)
象は、死期を察知した時、群れから離れ、どこか知らない場所へ向かうと言う。自分の死ぬ姿を見せたくないのだろうか?この世の未練を断ち切るためか?俺には、出来ない。一人、孤独のまま、姿を消すことは出来ない。愛する者たちに見送られたい。あいつは、しあわせな人生を送ったと拍手されるように・・・」
【投稿日】2006年5月25日 【カテゴリー】活動日誌